連続テレビ小説『梅ちゃん先生』あらすじと感想ブログ

2012年6月6日水曜日

梅ちゃん先生 第57回 あらすじと感想(6月6日放送)

第10週『恋の後始末』あらすじ(第57回)

「良い事かもしれません。何かを不満に思うってことは生きる力が出て来たことでしょ?」
梅子は部屋を替えて欲しいと言いに来た弓子に言った。
「ふっ…おめでたい人。本当に辛い事なんて経験したことなんてないんでしょうね…」
「…あなたはどんな辛い事を経験したんですか?」

梅子の問いに弓子は戦争で腕前だった恋人を亡くしてしまった話をしはじめた。
「戦争が終わって平和になったからって他の幸せさがそうそんな余裕なかった。今日まで生きるのが精一杯で。で、気付いたの。私、一人なんだなって…このまま独りで手に職もなく10年20年たってどうなるんだろうって…そんな事想像したら生きて行くのが怖くなった」
「だからって知らない人と心中しようなんて…」
「私と一緒になにかをしようと言ってくれたのはあの人だけ…」
梅子は『希望を持っていれば』と弓子を力づけようとするが弓子は冷笑した。
「あなたはまだいいわよ…若いから」
梅子が年齢を弓子に尋ねると弓子は28歳だと答えた。

「私の姉も28です。婚約者が戦死しました」
「それで…まだお一人なの?」
「はい、でも姉は弱音なんか吐かずに一生懸命働いてます」
「強い人なのね…」
小さく呟いて部屋に戻っていく弓子に梅子は言った。
「またお話しましょうね」
>梅子は弓子の心に初めて触れる事ができたような気がしました。

その時、松岡が歩いてきたので梅子は軽く会釈をして通り過ぎようとする。。
「…梅子さん。僕が何か起こらせるようしましたか?黙って行くなんて」
すれ違い様に松岡が信じられないといった表情で梅子に話しかけてきた。
「黙って行くのはそっちじゃないですか…もしかして論文終わったんですか?」
「どうしてわかるんですか?」
「あ…感じで…」
「いや~終わってスッキリした!昼食でもどうです?(笑)」
「あいにく忙しいんです。また今度にしてください」
スタスタと歩いていってしまう梅子の後姿を見ながら松岡は呟いた。
「やっぱり怒ってる…」

梅子の姉・松子の仕事場へ訪ねて来た竹夫は、喫茶店で松子の仕事風景を茶化した。
「すっかり怖い先輩ですね(笑)」
「5年もいるとね…」
竹夫は、松子に頼まれていた松子の元・同僚:真田伸吉の行方について説明した。
新潟支社を退社した真田は東京に戻ってきたが、既に引っ越しており、現在どこにいるのかまでは分からないと説明した。
「…色々とありがとう」松子が尽力してくれた竹夫に礼を言った。
「もういいでしょう。どんな人だったのか教えてくれても…松子姉さんが好きな人ってどんな人だか興味あるな(笑)」
「好きだなんて言ってないじゃない…好きになるような人じゃないの。お酒は飲むし、仕事はいい加減だし、女好きだし…。会社を辞めたなんてて言うから、また身を切り崩してしまったじゃないかと心配になっただけよ」
「つまりは…好きだったんだ…離れて後悔してるんですね?」
「違う…」
「僕もずっと後悔してる事があるんです…だから松子姉さんには後悔して欲しくなかったんです。見つからなくて残念だ…」
竹夫は、別の男性と結婚してしまった矢吹あかねの事を思い出した。

夜、仕事から帰った梅子は松子に弓子の事を話した。
「松子姉さんは、そりゃ落ち込んだ時もあっただろうけど時期に元気になって毎日必死に働いてる。その人はどうしてそうできないのかな…」
「人、それぞれだから…」
「その人の話を聞いて、松子姉さんって偉いなあって、しみじみ思ったわ…自分の事は後回しにして家族の為に働いて」
「私が何の悩みも無いみたいな言い方しないで」
嬉しそうに話をする梅子を松子は睨んだ。
「…私、そんな事…松子姉さんの悩みって?」
「しらない」
松子はそのまま布団をかぶって寝てしまう。
>松子の心に何が怒ってるのか知る由もない梅子でした。

翌朝、論文を終えた松岡が狭山の担当している患者を診る事になったと狭山が説明した。
梅子は、弓子について配慮してほしいと回診前に松岡に言った。
「わかりました」
松岡の返答に梅子は不安を覚えるが、そのまま不安は的中してしまう。
「心中しようとして男に逃げられたそうですね?心中はやはり太宰治の影響ですか?」
診察しながら松岡が尋ねたので梅子は慌てた。

「いいえ…」松岡の質問に弓子が短く答えた。
「死にたくなったら何か元気がでる書物を読んだ方がいいですよ。カントとか」
弓子が松岡の顔をちらりと見ると松岡はそのままカントの哲学を言葉にし始めた。
「『空間は単に外観の一切の現象の形式に他ならぬ、すなわち…』…何を言ってる井野かわかりますか?…僕もさっぱり分かりません。『この野郎!』って思って『分かるまで死んでたまるか!』という気がしてきます。きっと」
梅子は、ため息をつくが弓子は松岡をじっと見ていた。

病室から連れ出す梅子に対して松岡が尋ねた。
「何か問題でも?」
「配慮をお願いしたはずです!」
「あれ?僕なりに配慮したつもりですが…」
「あれで?…もういいです」
梅子は不機嫌になり、松岡を置いて歩き始めた。
すると松岡が追いかけてきて弓子に検査の必要があると言い出す。
「さっき触診した所、どうやら腹部にしこりのようなものがありました」

『梅ちゃん先生』第57話の感想とレビュー

「おめでたい人」…弓子の言葉は的確に梅子を表したかも(笑)
ドクトル松岡に弓子に対して配慮するように言ってましたが、昨日、建造が弓子を診察している時に「どうして死のうと思ったんですか?」って聞いてましたが(・_・?)
そんな梅子、弓子の部屋替え希望の申し出をすっかり無かった事に(笑)
で、ドクトル松岡に弓子は惚れてしまったんでしょうか?まあ、イケメンだし、面白い事を言ってるし…『この野郎!』ってカントに向かって松岡が言うシーンは、アントニオ猪木っぽくて笑えました。

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