第22週『意地の上塗り-第130回-』あらすじ(ネタバレ)
「信夫君、梅子、おめでとう!!」梅子の妊娠が判った日の夜、下村家は安岡家を招いての夕食となった。
テーブルには、豪勢な料理や赤飯が並んでいた。
「これで三代目もできて我が安岡製作所も安泰だ!」
幸吉が嬉しそうに言うと妻・和子が男か女かわかってないのに気が早いと笑った。
「医者なら男でも女でもできる」
梅子の父・建造が静かに呟いた。
「なんだよ!医者にするつもりかよ!」
「強制しなくても母親の姿をみて医者を志すかもしれない」
そのまま幸吉と建造がいつものように衝突し始めるが、正枝や芳子は2人に構わずに梅子に診療所を今後どうして行くか質問した。
診療所を休むわけにはいかないと梅子が言うと正枝は代理をたてればいいと答えた。
すると大学病院から誰か応援を呼ぶと建造が梅子に伝えた。
「ありがとうございます。みんなで私の心配をしてくれて…」
「そうだわ!竹夫と松子にも知らせないとね!」
梅子は電話で松子と竹夫に妊娠した事を伝えた。
「梅子がおめでただって!」
会社で知らせを受けた竹夫が静子に伝えた。
「よかったわね(笑)」
「俺たちもそろそろ考えるか…将来の事だ」
竹夫の言葉に静子が微笑んだ。
その時、竹夫の社員達が出勤してくる。
竹夫は出勤した社員たちを集め荷物を見せた。
「みんな!ちょっといいか!イギリスからサンダルが届いた!」
竹夫は今までは輸出しかしていなかったが今後、輸入をしていく方針を社員達に伝えた。
すると社員の森下が会った事がない業者との取引について危惧するが竹夫は今までの感触では信用できると応えた。
「それにボヤボヤしていると他の会社に先を越されてしまうぞ!このブランドはまだ日本にはまだない…きっと評判になるぞ!…本物だ!」
竹夫は箱から満足そうに商品を取り出した。
― 梅子の診療所に夜勤明けの弥生が梅子を祝福しに現れる。
「何事も実地で経験するのは医者として貴重ね。どうなのお腹の中に子供がいるって?」
「不思議な感じ…私、大人になったって実感がないから母親になっていいのかなって」
その時、書類を持ってきた相沢に弥生は深々と頭を下げた。
「これからときどき応援にきますからよろしくお願いします」
そして弥生は病院の中を見渡ながら歩き始めた。
「弥生さんはいつお父さんの病院を継ぐの?」
「本当ならもうとっくに継がないといけないのよ…いい加減、帝都大を辞めてうちお病院を継げ』っていつも父に言われてるの…けどまだ私は大学にいたくて研究を続けたいの」
弥生は気管支ぜんそくの治療法を研究していて時間がかかると説明した。
「でも、もともと弥生さんはお父さんの病院を継ぐ為に医専に入ったんじゃないの?」
「最初わね。でも今、研究が好きなの。難しい病気の患者さんがこの研究で治るかもしれないと思うと力がはいるのよ」
「梅子は下村先生を説き伏せてやりたい事をやってきたのよね?どうやったらいいの?」
「どうって…やるだけ…」
「…参考にならない。」
「うーん、じゃ、内科医の先生と結婚して旦那さんに医院をやってもらえばいいんじゃない?そうすればお父さんも納得するし弥生さんも研究続けられるじゃない」
「うん、まあそうね…だけどそんな都合のいい相手いるわけないじゃない」
すると帝都大で働く山倉が診察室に現れた。
「やあ!梅子さん!!おめでただそうですね!」
「…夜勤明けのくせになにしにきたの?」
弥生が迷惑そうに山倉を見た。
「自分だってそうでしょ?梅子さん!僕もお手伝いしますよ!町医者の経験もしてみたい」
「だからって今来る必要ないでしょ!2人医者がいてもしょうがないんだから!」
「…じゃあ、今度から御願いします…(汗)」
― 書類が届いたと連絡を受けた竹夫が入金に行くと部下に伝え外出する準備を始めた。
その入金が100万円と聞いた静子は驚いた。
「そんなお金どうしたの?!」
「借りたに決まってるだろ。…よし!いってくる!」
竹夫が勢いよく会社を出て行ったので静子は後を追った。
「ねえ!…私の事、楽させてあげたいって言ってくれたけど私は別に…」
「自分がどこまでいけるのか試してみたいんだ!この仕事が上手くいったら結婚しよう!」
「…うん、いってらっしゃい」
夕方、苦心の末に完成したバルブを満足げに眺めている信郎に梅子が声をかけた。
「よかったね、うまく出来て」
「ああ。…俺、工場をでかくしたかった。仕事増やして新しい機械入れて人を雇って。ここをどんどん大きくしていく事だって。…でも何か違うかもしれないってずっと思ってた」
信郎は工場を大きくすることより自分達にしかできない事をすべきだと伝えた。
「大きい工場に勝つにはコストや納期の早さじゃなくてうちにしか出来ないことをやるってことじゃねえのかな。…値段が高くても『これはお宅にしかできないだから田尾みたいんだ』っていわれるものを作れるようにならなきゃ駄目なんだ」
信郎の言葉に工場の表で掃除をしていた光男が振り返った。
「…そのためには何が必要なんだろうな…梅子、体の具合はどうだ?
「うん。大丈夫」
「生まれてくる子に自慢出来るような仕事をしないとな!」
『梅ちゃん先生』第130話の感想とレビュー
既に竹夫の失敗が目に見えて、明日からの展開が怖いです…「今までの感触では信用できる!」って、建造のこともあったし、結婚についても静子に言っちゃったから、ちょっと焦ってしまったのかもしれませんね。つくづく可哀相な竹夫兄さん…
久しぶりに弥生と山倉が出て来て、ちょっと良かった。これはスペシャルに向けての伏線なのでしょうか。・・・その前に山倉はこの時点で何歳なんでしょうね。
一方、工場の職人として悟りを開く信郎。
町医者がテーマのドラマと言うよりは町工場がテーマなのではと思ってしまいます。
子供を産んだら産んだで、医療シーンはますます無くなる予感…